Artist Statement

 

現実世界とネット上の世界との境界線の曖昧さに揺られながら、今の私たちの現実の在り処はどこにあるのだろう

 

 ニュース番組を見ながら、電車に揺られながら、家族や友人と食事をしながら…

インターネットを通して誰かと常時接続している、そんな忙しない昨今の世の中で

人間の人間としてのなんらかの機能が鈍っていっているような、人間としての何かを欠如したような瞬間があります

 

 それは時代のあるべき姿かもしれません

重要なことは、私たちがどこまでを許容して、どこまでに歯止めをかけるかを自覚することにあるのではないでしょうか

 

 私は、この現実の在り処への解答として、自らの力で世界を作る事を選択しています

粘土を焼いて生み出すかたちは、時にいびつで、矛盾もあって、へんてこかもしれません

しかし、だからこそリアルで、真の豊かさを孕んでいると思います

 

名前のはなし


 

 

鯨寄る沖、虎伏す野辺(いさなよるおき、とらふすのべ)という ことわざ があります

 

くじらがいる海辺と、虎がいる草はらをあわせもった 人の手でまだ未開の地を意味するそうです

 

ぼくは 美術におけるそんな場所に足を踏み入れてみたかったので 自分の芸名にしてみました

「鯨虎 じょう(いさなこ じょう)」

読みづらいけど いい名前をつけたと思います

ちなみに 「じょう」 は本名のニックネームです

 

 

 

つくることについて


 

 

「へんてこ」という言葉が好きです

なんとも言えないゆるさとユーモアと楽しさを感じるからです

 

社会において  これが普通だ というものは

ほんとうは  ないはずだ  と思っています

ほんとうは みんながそれぞれ  へんてこ なのです

 

ぼくはというと 身体は女性ですが 心は女でも男でもないかんじの人間です

男も女も ステキな人だったら両方好きになります

ぼくは そんな へんてこなぼく を割と気に入っています

 

そんな へんてこなぼく がつくる へんてこな作品 を見た人は

 

意味わかんない とか 

好きだ とか 

みんな好き勝手に

考え込んだり 笑ったり 喋ったりします

 

わざわざ足を止めて

思ったことを声に出してみたり 笑ったり 考え込んだり

これはもう じゅうぶん意味のあることです

 

そんな人たちにぼくの作品もおもしろがったりかわいがって欲しいので

つい粘土をこねて へんてこなものを生み出してしまっています